仏教 伝法

「因縁生起」とは

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仏教の教理に『唯識論』(ゆいしきろん)というー種の哲学がありますが、ここで使われている『識』は意識の識であり、この識の活動作用をもって実に全宇宙が出現したのだ、というのであります。

この考えをもってすれば、心というものは、人間が心を有する以前において、まず心が人間を創り出したのだ、ということにもなりましょう。
このように人間がまだ生ずる前にあったこの心を「宇宙意識」という言葉で呼ぶ人もおります。とすると、私たちの体内に宿る心の意識活動は、この宇宙意識と連動しているということになります。言い換えれば、個人の人間の心は宇宙の心とつながっているということになります。
人間の心臓を動かし、肺に呼吸させている力は何なのでしょう?それは、宇宙の意識活動なのです。
宇宙の心が人間の自律神経にじかに働きかけて、それらを動かしているのです。
すなわち、この宇宙の心は大宇宙一杯に満ち溢れているのであり、その一部が人間の内にも宿っているという訳です。こうして私たち人間は心によって生かされているのであります。
このようにして、私たちは、自分の現在を心の力によって生み出してきました。(あるいは生み出されたというべきか)
心のカは原因で、あり、私たちの現在とは、その結果です。
すなわち、意識活動が因であり体験が果であり、これが仏教で説くところの「因果」であります。
これはどういうことかと言いますと、今、心に思っていることは、それと同種類のことを未来において体験するということであり、また、いま体験していることは、過去において心に思ったことである、ということです。
このようにして、私たちの現在の生活というものは、過去の因による果を体験しつつ未来の果の為の因作りに励んでいるのであります。
心に思ったことが未来の果のための因として確定した時、それは果への縁が生じたという意味で「因縁生起」 (いんねんしょうき)と申します。
因縁とはつまり自分の未来を設定したことを言うのであります。
ということは、因縁というものも、心の力と同じものだということになります。またそれは、空の力と向じものだということにもなるのです。
このようにして心と空と因縁とは皆同じ意味である、と仏教経典には説かれているのであります。
[出典:会報Enjoh-2016年10月号-無能唱元の書斎から]

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